こんにちは。ねゆなりです。今日は荻野寿也の「美しい住まいの緑」85のレシピの書評です。
建築設計しているけど植栽についてよくわからない。
庭と一体の設計ってどうするの?
庭に植栽ってどのような計画をすればいいの?
おしゃれな庭ってどうやってつくるの?
このような方向けの本になっております。
この本ならこのような悩みを解決でき、魅力的な植栽や庭と建築が一体化した設計、提案が出来るようになります。
著者 萩野寿也 氏のプロフィール
1960年 大阪府生まれ
1999年自宅アトリエが第10回みどりの景観賞(大阪施設緑化賞)を受賞。以降独学で造園を学ぶ。
2006年 設計部門として萩野寿也景観設計を設立。
2012年より伊礼智の住宅デザイン学校講師
因みに筆者の萩野寿也は住宅業界で滅茶苦茶有名で伊礼智、横内敏人、飯塚豊といった日本の住宅設計業界のビックネームの方々と一緒に仕事をしており、日本で最も熱い造園家の一人だと思います。
この本を読むのにおすすめの方
外構、植栽をもっと知りたい設計者の方
萩野氏の植栽計画、思想を知りたい外構、植栽業者の方
これから家を建てるお施主さん
おしゃれな庭にリフォームしたい方
この本を読んでわかること
- 樹木の組み合わせ方
- 植栽計画のセオリーと注意点
- 配管計画と植栽計画の注意点
- 外構コーディネートの基本
- おすすめのウッドデッキ配置法
- 庭間(アウトドアリビング)の作り方
- 良い景色がない時の対処法
- 芝生の管理方法
※荻野寿也の「美しい住まいの緑」85のレシピより引用
この本を読んで特に参考になった3つのこと
庭を間取りの延長で考えること
住宅設計でウッドデッキを設置する機会が多いのですが、外構工事のため後回しにされやすく、設置したはいいが動線や機能性が思ってたよりもしっくり来ないといったことが多かったのですが、本書の「ウッドデッキは使えないと意味がない。食事ができるぐらいの広さ。~略~キッチンから近いところに持っていきましょう」(引用)という記述に膝を叩きました。
庭、ウッドデッキを間取りの延長で考え建物と同時に計画することで魅力的な住環境が設計できると確信しました。
植栽計画は立面図を見てすること
一般的にものの配置計画は平面で考えがちなのですが、平面で考えるが故にうまく計画出来ないことが多かったのですが、「外から内からどのように見えているか考えて緑を入れていく。こうして立面から木の高さと形が決まっていき、「木立に佇む建築」に近づけていく」という記述があり、萩野氏の植栽計画が美しい理由がわかりました。
立面及び展開図を見つつ計画することで各段に植栽計画の質が上がり、建物を計画する際にも開口部や庇の位置を同時に考えるようになりました。
外庭で街に緑のお裾分け
住宅設計では敷地を最大限利用しようとするあまり、境界ギリギリに高い塀を設置し、「この土地はすべて私のものだぞ」と主張するケースが多いのですが「塀を少しだけセットバックし、あえて(外庭)を作ることがあります。略~花が咲く、実がなる、蝶がくるといった現象によって、ご近所や通りがかりの人々と会話が生まれ、町のコミニュティを取り戻す力を秘めている」の記述を見て、
自分たちだけ良ければいい「利他」ではなく「利他」の設計をすることが豊かさだと痛感しました。
町や地区に緑をお裾分けすることで、自分のため財産でなく、地区や町といった大きな枠組みでの財産になると思います。
まとめ
いかがでしょうか?植栽の事例が図面、写真付きで掲載されているので非常に読みやすい本になっております。
建築は建物+植栽で漸く完成になります。近頃の住宅はメンテナンスフリーを謳い、駐車場は土間コンクリートのみ、庭は人工芝といったように風情を感じず、五感を刺激しない味気ない住宅、街並みになっております。
だからこそ庭や植栽を提案することで他と差別化でき、ブランディングにも繋がると思っています。是非良いアウトドアライフの為に読んでいただければ幸いです。
以上ありがとうございました。
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